Calpellaプラットフォームを採用して約1年3カ月ぶりに大幅なモデルチェンジを果たしたビジネスノートPC「VAIO B」。その店頭モデルを試用した。
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15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載した「VAIO B」は、2008年10月に発表されたビジネス向けのノートPC「VAIO type BZ」の後継モデルだ。「プロフェッショナルビジネス 信長の野望 rmt
モバイル」をコンセプトとしたVAIO type BZでは店頭販売モデルが用意されず、同社直販のソニースタイルで扱う「VAIOオーナーメードモデル」や法人向け代理店のみと販売チャンネルが限られていた。しかし、実際にはブラックを基調とした落ち着きのあるデザインや堅牢性に優れたマグネシウム合金ボディ、シンプルな使い心地がユーザーの裾野を押し広げ、ビジネ
ス用途だけでなくビジネス/パーソナル兼用PCとして書斎とオフィスの両方で利用されることが多かったようだ。
今回発表されたVAIO Bでは、シリンダーフォルムの多面ボディデザインや堅牢性はそのまま継承しながらも、Nehalemアーキテクチャを使ったインテルの最新モバイルプラットフォーム「Calpella」や、Windows 7を搭載して新世代機へと生まれ変
わった。
また、HDMI端子や無線LAN、Webカメラなどの採用をはじめ、カスタマイズオプションとしてBlu-ray DiscドライブやSSDドライブを用意し、ビジネス用途だけでなくより柔軟な用途に対応できるようになったのがポイントだ。新たに店頭モデルをラインアップしてきたことからも、同社が本気でユーザー層を広げようとしていることがうかがえる。
●新たにHDMI端子やExpressCardスロットを搭載
まずは新モデルでの変更点を見ていこう。
ボディサイズは362.4(幅)×266.8(奥行き)×29.8?37.7(厚さ)ミリ、重量は約2.7キロと従来のVAIO type BZと変わらないが、天板カラーは高級感があるプレミアムブラックとなった(これまでのブラックは直販モデルで選択が可能)。
細かい点では、本体左側面のPCカードスロットがExpressCardスロットに変更されたのに伴い、HDMI出力が追加され、USB 2.0端子の位置が変更された。照度センサーを内蔵することで液晶ディスプレイの明るさを自動調整できるようになったのも春モデルの特徴だ。なお、すべてのモデルでIEEE1394端子とFeliCaポートが非搭載となった。バッテリーの駆動時間は標準で約
5.5時間、オプションのLバッテリー装着時で約8.5時間だ。
●アイソレーションタイプではないノーマルキーボードを採用
15.4型ワイドの液晶ディスプレイは光沢タイプで、画面解像度は1440×900ドットだ。ソニースタイルでは1280×800ドットの解像度も選べるが、その場合は非光沢タイプとなり、液晶ディスプレイ天板がマグネシウム合金から再生
プラスティックとなるほか、WebカメラとBluetoothが省かれ、ボディカラーがブラックになるので注意したい。光沢タイプゆえ画面への映り込みはやや気になるが、液晶の明るさは9段階に切り替えられ、最高輝度でも目がまぶしくなるほど明るくはないので、長時間の利用にも対応は可能だろう。上下の視野角は狭いが、左右は比較的広いほうだ。
キーボー
ドはVAIOシリーズでおなじみのアイソレーションタイプではなく、従来モデルと同じキー同士が接した状態で配置されたノーマルなタイプを継承する。キーボードユニットの縁を折り返して防滴シートを張った「ウォーターレジスト構造」を採用することで、30ccまでの液体をプールして内部への到達を防ぐ。19ミリのキーピッチと2.5ミリのキーストロークも同様で、
キー配列も変わりがない。スペースバーは51.5ミリと短めだが、不規則な配列もなくスタンダードで扱いやすい。キーを強く押し込んでもユニットがしならないのも好印象だ。
キーボードの左上に無線LANのオン/オフスイッチ、消音ボタン、プレゼンテーションボタン、右上に指紋センサーが配置されるレイアウトも引き継いでおり、かなりシンプルですっ
きりとしている。欲をいえば、ビジネス用途でニーズが高いテンキーを用意してほしかったところだ。
タッチパッドは、サイズが82(横)×50(縦)ミリと広く、左右ボタンはしっかりとしたクリック感があり、位置もホームポジションの直下にあるので使いやすい。ジェスチャー操作には非対応だがシナプティクス製のドライバが導入されているので、細か
な動作設定は可能だ。
もちろん、ビジネスノートPCとしてもしっかりと進化している。落下時にヘッドを退避させることでHDDの物理的な故障を防ぐ「VAIOハードディスクプロテクション」が強化され、ヘッド退避速度を140?280%程度高速化した。これにより、ヘッド退避が完了するまでの落下距離がこれまでの20?80センチ程度から10?15センチへと短く
なった。加えて、これまではWindows制御下でのみヘッド退避が行われていたため、OS起動途中や休止状態移行時などに保護が働かないという欠点があったが、春モデルからBIOS制御下で働くようになったので、どのようなシチュエーション下でもヘッドの退避が可能となった。ビジネスシーンで欠かせない、TPMセキュリティチップも搭載済みだ。
●カスタマ
イズ可能な直販モデルではXPも選べる
続いて、店頭モデルとソニースタイルで選べるVAIOオーナーメードモデルの違いをまとめておこう。
店頭モデルは画面解像度が1440×900ドットの「VPCB119GJ/B」の1モデルのみで、CPUはCore i5-520M(2.4GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.93GHz/3次キャッシュ3Mバイト)、チップセットは
Intel HM55 Expressと最新のプラットフォームが採用されている。プラットフォームの変更に伴い、メモリはPC3-8500 DDR3 SDRAMを4Gバイト(2Gバイト×2/最大8Gバイト)、グラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphicsで、ストレージドライブは容量500GバイトのSerial ATA HDD(5400rpm)、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだ。
通信機能は
ギガビット対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、56Kbps対応のFAXモデムを備える。WiMAXは店頭モデル、VAIOオーナーメードモデルともに搭載が見送られた。このほか、有効31万画素のWebカメラ、指紋センサー、TPMセキュリティーチップとビジネスに欠かせないパーツもしっかりと押さえている。カラーはプレミアムブラック1色の
みで、OSは64ビット版Windows 7 Professionalをプリインストールする。
一方のソニースタイルでは、フルカスタマイズ可能なVAIOオーナーメードモデル「VPCB11AGJ」に加え、法人向けカスタマイズモデル「VPCB11AGJ」、Windows XP Professional(SP3)のダウングレードモデル「VPCB11AVJ」、法人向け標準モデル「VPCB11AVJA」が用意される。
BTOのオプションは多彩で、CPUがCore i7-620M(2.66GHz)/Core i5-540M(2.53GHz)/Core i5-520M(2.40GHz)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2)/6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)/4Gバイト(2Gバイト×2)/2Gバイト(2Gバイト×1)、ストレージドライブは512Gバイト/256Gバイト/128GバイトのSDD、500Gバイト(7200rpm)/500Gバイト(5400rpm)/320G
バイトのHDD、光学ドライブはBDメディアへの書き込みに対応したBlu-ray Discドライブ/DVDスーパーマルチドライブからそれぞれ選択できる。スティック型の小型ACアダプタや大容量のLバッテリー、指紋センサー有無も選べる(一部のモデルでは選択肢の制限あり)。店頭モデルで満足できない場合は、まずはソニースタイルでBTOしてみるのがお勧めだ。
●従来機からパフォーマンスは大きく向上
最後に、64ビット版Windows 7 Professionalを採用した店頭モデルでベンチマークテストを行った。パフォーマンスについては、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは4.3と地味だが、それぞれのサブスコアを見てみるとグラフィックス、ゲーム用グラフィックス以外のコンポーネントは最高7.9のうちの5
台後半以上を記録し、十分なパフォーマンスが得られていることが分かる。中でもプロセッサは6.7と良好で、複雑な関数をたくさん含むExcelファイルなどもサクサク処理できるだろう。
PCの総合的なパフォーマンスを計測するPCMark05については、新プラットフォームの採用によりCPUとメモリのスコアはこれまでの「ビジネスノート」からワンランク上の
スコアで、一皮むけた印象だ。
グラフィックスは統合型なので過度な期待はできないものの、前モデルのIntel GM45 Expressチップセット内蔵となるIntel GMA 4500MHDから、CPU統合のIntel HD Graphicsになり、3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3で着実な底上げがなされているのが分かる。
BBench1.01(海人氏作)でバッテリーの駆動時
間を計測したところ、無線LANで常時接続し、BBenchのはデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」および「10秒間隔でのキーストローク」という設定で、結果は電源プランの「バランス」(輝度は最高)で3時間58分だった。これならば、ちょっとした移動でACアダプタは不要であり、出先での利用にも対応可能だ。
発熱については、システムに
高い負荷をかけるとキーボードの左半分がほんのりと温かくなるが36度以下(室温は25度)で、パームレスト部にはほとんど影響はなく、手の触れる部分で気になる発熱は感じられない。ただ、底面はそれなりに熱くなるので長時間ひざの上に乗せて作業するのは避けたほうがいいだろう。冷却ファンの風切り音は高負荷時でも気にならず、環境音にまぎれるレベルにあ
る。
メインマシンとして使えるだけの性能を備えつつ、室内の移動程度の持ち運びなら簡単に対応できるノートPCの需要は高いと思われるが、大画面ノートはAV機能を重視したゴージャスなヘビー級構成となりがちで「ここまでの機能は必要ないのに」と思うユーザーは多いだろう。もしあなたがそういう1人ならば、必要な性能と機能を取捨選択してシン
プルな自分好みの1台を作れる新VAIO Bはかなりいいセンをいっているに違いない。
店頭モデルの実売価格は19万円前後と14型ワイドサイズの製品と比較するとやや割高感があるものの、上位CPUの性能と大きな画面でのゆったりとした操作性、Office Personal 2007 with PowerPoint 2007プリインストールなどに大きな魅力を感じるならば、その価格も納得できる
はずだ。直販のソニースタイルならば、13万2800円から購入可能なだけでなく、ほかにも随時キャンペーンが行われているので(今なら、ソニースタイル10周年キャンペーンも開催中だ)、購入時は欠かさずチェックしたい。【富永ジュン(撮影:矢野渉)】
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